🎨美術館スタッフによる作品解説🎨
第1部『日本の四季』vol.3
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スタッフによる作品解説…今回で3回目になります✨
文章構成や写真の構図等少しは板に付いて来たでしょうか❓
作品のテーマが秋、冬と続き今回は緑映える夏の絵をご紹介致します。
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鹿苑寺庭園
1990年(H2年) 150.0×360.0cm
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美術館スタッフM🐺
室町幕府第三代将軍足利義満が建立した京都の金閣寺は、世界遺産に指定されている名立たる名刹です。
画家であれば一度は描いてみたいと思うであろう金色に輝く壮麗な姿は後藤先生をも魅了したと言えます。
後藤先生は40歳代に金閣寺を数点描いていますが、その当時は建物の大枠を捉えるのが精一杯だったと語っています。
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私がこの絵で最初に目に留まったのは黄金が漂う水面でした。
勿論実像である金閣寺の荘厳さ、松の緑の鮮やかさや苔むした庭石などの美しい描写にも目を惹かれます。
ただそれ以上に水面に溶かし込んだかの様な金閣寺の朧げな姿に何とも言えない魅力を感じたのです。
景色と水の交わる際の濁りが虚像である筈の金閣寺に、あたかも実像であるかの様な美しさを持たせています。
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後藤先生がこの金閣寺を描いたのは60歳の時。
「絵描きになって半世紀以上も経つと水は清ければいいと言うものでもなく、暗緑の池に金閣寺が揺らめき映える様にえも言われぬ魅力を感じる様になる」
このお言葉を聞いた時、ほんの少し先生の世界に触れた様な気がしました。
美しさの中にも濁りや陰が必要不可欠であり、それこそがより作品を際立たせているのだと気付く切っ掛けとなりました。
「清濁併せ呑む」
この言葉を体現されご自身の作品に昇華した後藤純男先生の世界を是非一度体験して頂きたく思います。
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世界遺産でもある金閣寺の魅力…
絵画の世界からのアプローチですが少しでもお伝え出来れば幸いです✨
次回は今の季節にも相応しい春の絵をご紹介します🌸
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営業時間 9:00~17:00 (11月~3月 9:00~16:00) 年中無休
※ただし12月29日から1月3日はお休み致します。また展示替え等で臨時休館する場合があります。