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後藤純男作品「那智」が首相官邸に向け旅立ちました。

令和元年おめでとうございます。
平成も幕を閉じようとする4月下旬、後藤純男作品「那智」が首相官邸に向け旅立ちました。官邸の囲みインタビューの右後ろでテレビニュースや新聞紙面で映ることがあると思います。前回平成28年より昨年12月まで貸出していた11点は幾度も首相の後ろに展示して頂きました。ニュース映像、要チェックでお願い致します。

後藤純男が生前に話していた「那智」

私が滝を描くようになったきっかけは、何と言っても北海道の層雲峡との出合いでした。原生林を切り裂くように流れ落ちる滝の、圧倒的な存在感に打ちのめされました。それをきっかけに30代の頃は、層雲峡を中心に全国の滝を集中的に取材したので、院展への出品作が滝の絵ばかりなもんですから、「滝屋」と揶揄(やゆ)されたりもしましたが、この滝を描いた作品で、毎年院展で賞を受賞させて頂いたり、何とか絵描きとしてやっていけるかなと、そんな希望を持つことができました。

熊野那智大社の別宮(くまのなちたいしゃのべつぐう)・飛瀧神社(ひろうじんじゃ)に御本殿は無く、参拝した人々は神社の御神体である那智の滝に手を合わせることになります。滝全体を正面から拝見できる場所に立ちますと、その御姿から発せられる圧倒的な迫力に、自分が大変恐れ多いことをしているような気持ちになりまして、畏怖の念を抱きながら(いだきながら)スケッチをさせて頂きました。

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